幕末の志士・中岡慎太郎が遺した「笑顔の写真(肖像画)」は、日本史上でも特に興味深い一枚ですよね。
1866年、京都祇園で撮影されたこの写真は、彼が暗殺される約1年前のものとされています。
しかし、この写真には謎があり、一部が黒く塗りつぶされています。
この不可解な処理はなぜ行われたのでしょうか?
隣に写っていたとされる女性の存在や当時の社会背景、慎太郎の評判を考慮した行動など、さまざまな仮説が語られています。こ
の記事では、笑顔の写真がもつ背景や、歴史的な意義について詳しく解説します。
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)はなぜ黒い?
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)に黒い部分がある理由は、写真の一部が意図的に削り取られたり塗りつぶされたためです。
1867年12月12日、中岡慎太郎が亡くなりました。
— RekiShock(レキショック)@日本史情報発信中 (@Reki_Shock_) December 11, 2024
坂本龍馬とともに襲撃され、龍馬が即死してから2日後の死でした。
中岡は幕末では珍しい笑顔の写真が残っています。
隣に女性がいると想定されますが、中岡の頬に当てられた手と膝にかかった着物を除いて塗りつぶされてしまっています。 pic.twitter.com/VxKIo3EYkj
写真の詳細
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)は京都祇園で撮影されたもので、慎太郎が暗殺される約1年前、1866年11月に京都祇園で撮影のものとされています。
- 大坂屋与兵衛のスタジオで撮影
- 縦約8cm、横約10cmのガラス原板
- 原板のサイズは縦約8cm×横約10cm
慎太郎の膝には女性のものと思われる長帯がかかっていますね。
慎太郎が右手で頬杖をついているように見えるのは、実は隣にいた女性の腕だったと推測されています。
てっきり頬杖付いてるんだと思ってた!
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)はなぜ黒く塗りつぶされた?
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)の一部が黒く塗りつぶされた正確な理由は不明ですが、以下のように推測されます。
- プライバシーの配慮:写真に写っていた女性の身元を隠すため
- 後の評判への配慮:真面目な印象の強い慎太郎の評判を守るため
- 時代背景:当時の社会規範や道徳観に基づく判断
プライバシーの配慮
写真に写っていた女性は、おそらく芸者や舞妓であったと考えられています。
当時、このような女性との交際は公にすべきではないとされていた可能性もありますし、家族が写真を切り取ったという説もあるようです。
または、女性の身元を保護する意図もあったかもしれませんね。
後の評判への配慮
中岡慎太郎は真面目な印象の強い人物として知られていました。
芸者や舞妓と親しげに写る写真が公になることで、彼の評判に悪影響を及ぼす可能性があったと考えられます。
特に、彼が暗殺された後、英雄として称えられる中で、このような写真の存在は不適切と判断されたということも考えられますね。
時代背景
幕末から明治初期にかけては、社会規範や道徳観が厳しい時代でした。
政治家や志士として活動していた中岡慎太郎にとって、遊興の様子を写した写真は不適切とみなされた可能性があります。
当時の社会では、公人の私生活に対する厳しい目があり、特に女性との交際は慎重に扱われていたと考えられます。
中岡慎太郎の「笑顔」で有名なこの写真。
— 678 (@678mpth) June 12, 2019
削られた左側に写っていたのはだれか。
写り込んだ着物の柄や、中岡の表情から、
当時の恋人ではないかと個人的に思う。
削ったのは何故か。
このあとフラれた。
気恥ずかしくなった。
まあ、そんなところだろうか。#恋人の日 pic.twitter.com/NpH6ibPjRV
これらの要因が複合的に作用し、写真の一部が削除されたものと推測されています。
しかし、笑顔の写真自体は貴重な歴史資料として現在も注目されており、中岡慎太郎の人間的な一面を示すものとして評価されています。
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)の女性は結局誰?
中岡慎太郎の笑顔写真に写っていた女性の正確な身元は、残念ながら明らかになっていません。
写真が京都祇園で撮影されたこと、慎太郎の膝にかかっている長帯が女性のものと思われることから、芸者や舞妓であった可能性が高いとされています。
#歴創版日本史ワンドロワンライ
— みなせ (@ambujam10) November 28, 2020
第73回「笑顔」
幕末のキラースマイル・中岡慎太郎さん。
あの有名な白い歯キラッキラ笑顔の後はお隣のお姉さまとこんな感じかも。
きりっとしたお顔も素敵ですが笑顔がとても素敵な方です。
もー浮かれちゃってもー(*´艸`*) pic.twitter.com/528c6fP0d7
中岡慎太郎も女性の前だと笑顔になっちゃうんだね
中岡慎太郎の笑顔の写真(肖像画)はどこで見れる?
中岡慎太郎の笑顔写真は、主に以下の場所で保存・展示されています。
- 中岡慎太郎館(高知県北川村)
- 坂本龍馬記念館
- 富山市の個人宅(ガラス原板)
公開状況
中岡慎太郎館では一般公開されており、誰でも見学可能です。
現存する3枚の写真のうち、笑顔の写真も展示されています。
まとめ
中岡慎太郎の「笑顔の写真(肖像画)」は、幕末の人々の生活や価値観を映し出す貴重な歴史資料です。
黒く塗りつぶされた部分にはプライバシーの保護や評判への配慮といった意図が絡んでいると考えられますが、詳細は未解明のままです。
それでも、この写真が持つ人間的な魅力と謎は、多くの人々の関心を引きつけています。
慎太郎が遺した微笑みは、彼の人物像に温かさを加えると同時に、歴史の奥深さを感じさせるものです。
この写真を通じて、彼の志士としての一面と人間的な一面を改めて見つめ直す機会を得られるでしょう。